2013年5月5日日曜日

そのひゃくさんじゅう

京丹波の「絵本ちゃん」へ行ってきました。オープンして1年、やっとこさ行くことができました。


絵本ちゃんは、絵本ちゃんがやってる絵本のお店です。閉校になった旧質美小学校の教室で営業されてます。

オープン1周年を記念して、絵本ちゃんの隣にあるきのこ文庫でP.ことり座の人形劇を観ることができました。ヘッドホンをつけて小さな箱を一人で覗く1分半だけの小さくて贅沢な人形劇。ほんとに凄く小さな人形でした。指くらいかな?こんな楽しいものがあるのか!と思いました。

絵本ちゃんの店内でははやしますみさん作の「とんとんとんだれですか」の絵本原画展を見られました。作者のはやしさんもいらっしゃり、手作りの額に絵を入れてはりました。「とんとんとんだれですか」は音楽のお話で、ことばにもリズムがあって、知らない楽器のことも教えて頂いたりしておもしろかったです。原画ってやっぱりいいものだと見る度にいつも感じます。絵本ちゃんに居る間はずっと絵本の1ページのウッドベースを弾くライオンくんとカエルくんの絵にワシはずっと心を掴まれてました。ライオンとカエルが一緒に居るだなんて、そんな楽しいことはないと思います。

お昼ごはんはきのこ文庫のさらにお隣のcafe FUDOKiさんでランチをいただきました。地のものを食材にした美味しい、いや、美味しすぎるごはんでした。「香りって大切」と思える美味しいごはんたちでした。たけのこごはんをおかわりしてものすごく満腹になってしまい、この日後半の石川武志さんの個展パーティーで用意したり差し入れしてくださったいろいろな物が見事に何も食べることができませんでした。巻き寿司食べたかったのに…。


更に豆乳スープとデザートまでついてました。できるのならば毎日食べたいです。


小学校の入学式の写真なども見させて頂いたり、山の中にある学校のグラウンドに立ったりしました。






滞在時間は2時間くらいだったけれど、それが倍以上に感じるくらいの時間で、でもそれは山の中だからとか閉校になった小学校にいるからだとか、そういうノスタルジックなものに感じた時間ではなかったように思います。

絵本ちゃんは普段凄く忙しく動きまわってはり、嘘みたいな距離と時間を一日で過ごしています。きっと本当は絵本ちゃんは店内に沢山あったマトリョーシカみたいに身体の中にひとつ小さな絵本ちゃんがいて、またその中にひとつ小さな絵本ちゃんがいて、そうやって何人もの絵本ちゃんがいるみたいに魔法を使えて、幻みたいなものを創り出してるのだと思います。あの場にいた2時間くらいの時間と、周りの風景、聴こえてくる音なんかも全部絵本ちゃんが創った絵本の世界の一部分にワシはいたのだと思います。見えたもの聴こえたもの全てが「劇的」ということばでワシはまとめました。

絵本ちゃんはそんな素敵な絵本のお店、絵本ちゃんはそんな素敵な人です。

絵本ちゃんに貴重な荒井良二さんのカレンダーをいただきました。お店のロゴも荒井さんが描いたものです。お店と駅の送り迎えまで車でしていただき、かえって気を遣わせてしまったと感じていましたが、絵本ちゃんは絵本ちゃんで「遠いとこまで…」と気を持って頂いてくれていました。遠くはないのです。そこは全然遠くはないのです。マトリョーシカみたいに沢山いる絵本ちゃんの世界だから、絵本ちゃんを捕まえればすぐにそこまで行けるのです。


『絵本ちゃん』 
京都府京丹波町質美上野43 旧質美小学校内
営業時間:10:00から17:00
定休日:月・水+臨時休業
http://www.ehonchan.net/